まだパソコンが珍しかった、小学生のころ。
確かに俺はネットに居場所があった。

当時行っていたメイプルストーリーでは、同じレベル体の仲間とフレンドを組み狩りをしたり。
FPSをやっていた当時は、クラン戦などでボイスチャット等も行っていた。
ガチクランでは無かったため、和気あいあいとして良い雰囲気だった。

高校生になってからは、ニコニコ動画を見始めた。
あの当時は生配信なんてものは無くて、所謂面白フラッシュの延長線上にあるMAD動画を見ていた。

ネトゲをプレイしていたころよりかは、繋がりが薄れているかもしれないが、妙な一体感はあった。
配信者に対してコメントするわけではなく、この音楽良いなとか、この音ハメ好きだわ・・・みたいな。

大学生の時も似たようなものだ。
動画を見て、PS4でへらへらゲームをしていただけだ。



変わってしまったのは、社会人からだろうな。
なんというか自分の底が知れてしまった。

もう何をしても、間に合わない。
動画で見るようなスーパープレイをしたり、ネット界の人気者になることはもうできないのだろう。
そう考えてしまった瞬間、周りがすべて敵になった。

あいつは俺より○○が優れている。
あいつより劣った人間だ・・・と。

もう純粋に、コンテンツを楽しむことはできないのだろうか。
何をしても、俺より上がいる。
何を見ても、俺にはこれは作れない。

総ネット社会の中、動画サイトや個人HPなどで上級者やベテランが沢山コンテンツを発信している。
それについては、むしろいい事だと思う。
ハイレベルな技術に触れて、さらなる成長を求めるにはうってつけの環境だと思う。

俺の場合は、ただ敵が増えただけでしかないのだ。

技術もある、人脈もある、金も持ってる。
一方俺はどうだ。

これといった特技もない、数か月に1回しか会わない友人も片手で数えられる程度、
金も特段持っているわけではない。
貧乏というわけではないが、仕事をやめれば困窮するのは間違いない。

毎日嫌々仕事をして、わずかな金を稼ぐ中で
好きな事で生活できている人たちを見て、俺が思うのは不幸になってほしいという事だけだ。



・・・好きな事ってなんだ・・・?
本当に俺はゲームが好きなのか?
カラオケ行って楽しいと思っているのだろうか?

多分俺には心の底から楽しいと思えるものが無いのだろうか。
上でも書いた通り、何をしても上級者やベテランの存在がチラついてしまう。

もう純粋に好きなものなんて一つもないのだろう。
好きなものなんて一つもないから、どのコミュニティにも属せない。
全く魅力なない人間に見ててしまうのだろう。

自分自身の中にすら自分の居場所がないのだ。
自分がなにも好きかもわからず、他者や外部の情報に振り回されて、勝手に孤独感に浸っている。

コミュニティなんて属すことは簡単だ。
今すぐ、ジモティーやらモジパでメッセージを送れば、フレンドなどすぐできる。

ただ、それすらもできない。
自分が何のコミュニティに入りたいかすら分からない。
好きなものなんてないから、話題もない。
ただ登録して、それで終わり・・・となってしまう。

まずは、自分の中に自分だけの居場所を作らなければ・・・
自分の軸すらない人間が、他人と仲良くなることなんて不可能だからな・・・。